【大学受験】文学・言語学・考古学・心理学【学部紹介】

学部紹介その1 〜文学・言語学・考古学・心理学〜

文系受験の有力候補、文学部の紹介です。

言語学・心理学は「言語文化学部(東京外国語大学)」「心理学部(明治学院大学)」のように、専用の学部が設置されている大学もありますが、その多くは「文学部」に属するため、「文学部」という大分類での紹介となります。

学部名が研究内容に直結していることから、あまり迷うことはない選択肢ではありますが、上述のように「文学部」に吸収されていることが多いため、いざ受験となると躊躇してしまうかもしれません。

心理学をやりたいのに、文学部を受験するのは少し違和感がありますよね。

文学

とりあえず、まずは「文学」の紹介です。

定義としては「文学作品を通して、その背景にある歴史や文化、さらに思想や風土を研究する学問」となっています。

「文学作品を通して」というところが厄介で、極端な話、資料の中に1文字でも存在すれば「文学作品」と捉えることができます。

数十年程度であれば、その時代を生きていた人間も多く存命しており、インタビュー形式で当時の知識を得ることができます。

しかし、これが数百年・数千年前となると、残された資料から当時の環境を推測するしかありません。

「資料」といっても多様で、遺跡そのものも資料ですし、遺跡の中から発見される土偶も資料の1つです。

もっとも、自分が研究したい時代の遺跡などが都合よく見つかるはずもなく、現実的には「文献」こそが最大の資料となります。

そうなると、大半の研究が文献、言い換えれば文学作品を通した研究となり、つまりは「文学」へと収束します。

とはいえ、一般認識としては「文学=文学作品(小説など)の研究」なので、ここに乖離があります。

「心理学がやりたいのに、夏目漱石を読む必要があるのか?」という疑問ですね。

まあ、心理学を抜きに夏目漱石くらいは読めよと思わなくもないですが、気持ちは分かります。

さらに、文学に対しては「その研究(勉強)はお金になるのか?」という批判も付きまといます。

理系学問に比べ、文系学問は社会への貢献度が低いのは事実です。

そもそも理系・文系は「お金がかかる・かからない」で定義されていたことを踏まえると、当然といえば当然ですね。

「お金を稼ぐためにはお金が必要になる」というジレンマがあるので、研究費の少ない文系学問が、社会への貢献が少ないのは仕方がないです。

一般的に、「文学は人間を豊かにする学問」といわれます。

お金を稼ぐだけが学問の価値ではないので、「稼げる・稼げない」の目線で物事を見てしまう人には向いていない学問です。

逆に考えると、純粋に学問探求を楽しむことができる領域なので、そういう目線で考えられる人が向いている学問です。

言語学

次に「言語学」です。

文系といえば言語学、みたいなイメージはありますよね。

ここで注意してほしいのが、言語学=英会話、ではないということです。

会話は会話であって、学問ではないです。

言語学の定義は「言語の構造や変遷を、科学的手法で研究する学問」です。

現在、言語学の主流は「生成文法」という手法ですが、これは文法を論理的に解釈するものです。

(例えば、be動詞の否定は動詞+notなのに、一般動詞の否定はなぜnot+動詞なのか、など)

さらに、発音しない”e”、いわゆる”サイレントe”はなぜそうなったか、そういった発音の変遷も研究します。

私も趣味で色々な言語の生成文法、音の変遷、語源を勉強していますが、非常に面白いです。

とはいえ、やってみると分かりますが、これらを知識として蓄えたところで、会話は上達しません。

結局、会話とは実用的なものであり、言語学のような理論とは別領域ということです。

ただし、どちらも無関係ではないので、実用→理論、理論→実用へと転換が可能であり、それらは主に上達速度に関わってきます。

まったく知識のない状態で留学しても無意味ですが、知識のある状態で留学すると、得られるものがとても多くなります。

以上から、言語学は「自分が日常的に使っている言語を、論理的に考えてみたい人」に向いている学問です。

「話せるようになりたい」人は、大学への学費を留学費用に充てた方がいいです。

考古学

続いて「考古学」です。

考古学といえば、映画『ジュラシック・パーク』や『ハムナプトラ』のイメージから、「遺跡や化石を掘り当てる学問」という印象があるのではないでしょうか。

文学の領域ではありますが、文学と明確に分けるために、特に「文献の存在しない先史時代」を研究対象としていることが多いです。

それこそ、恐竜が栄えたジュラ紀には文字を書く人間は存在しておらず、まさに考古学の研究対象です。

やることは、基本的にはフィールドワークです。

移動して掘って研究して移動して……この繰り返しです。

移動には旅費がかかり、採掘作業には重機が必要になったり、もしかすると文系学問の中で最も研究費が必要な領域かもしれません。

そういった背景から、「考古学者は貧乏学者」というイメージもあります。

これですよ、これ。

これこそが学問のロマンだとは思いませんか?

持てる財産を全て研究に費やし、後世に研究結果を残す。

範馬勇次郎の言葉を借りるなら「純度が高い」学問です。

以上から、「ロマンに憧れる人」向けの学問といえます。

個人的には大好きです。

もし次の人生があるのなら、考古学に没頭して死んでいきたいです。

心理学

最後に「心理学」です。

これも文字通りですが、注意が必要なのは、心理学とは「人間の精神・行動を科学的に解明する学問」という点です。

「今日だけであの子と10回も目が合った!きっと僕のことが好きなんだ!」

これは小学生の自由研究です。

文学・考古学でもいえますが、文系学問でいう「科学的に~」「科学的手法で~」の”科学”とは、主に統計(数学)をさします。

大量のデータを集め、そのデータを分析し、自分の仮説と照らし合わせます。

「心理学」とはいっていますが、実質「統計学」です、数学です。

実際、心理学を専攻すると統計学が必修になることが多いです。

よく「人間観察が趣味です」という謎の自己紹介を聞きますが、それ観察できてないです。

最低限、メモ帳と筆記用具を持って、観察対象の行動をすべて記録してから”趣味”と言ってください。

当たり前ですが、統計は統計でしかないので、物事を100%予知する超能力ではありません。

そのため、「他人の心を支配したい」といった、傲慢な発想の人には向いていません。

「人間の精神や行動に興味があり、データを解析するのが好きな人」向けの学問です。

文学部のある大学

大抵の大学にはあります。

上述のように、「文学」の領域は幅広く、大学によって研究内容が違うので、まずは文学の中でも何に興味があるのか、方向性を定めてから大学を調べましょう。

いくつか大学を紹介しておきます。

【文学部のある大学】

1.京都大学

『夜は短し歩けよ乙女』の森見登美彦

『Another』の綾辻行人

など、様々な作家を輩出している大学です。

作家に興味がある、文学の研究に興味があるなら、日本で最高峰の大学です。

2.早稲田大学

『天地明察』の冲方丁

『ビタミンF』の重松清

など、京大以上に有名な作家を輩出している大学です。

私大でありながら京大に匹敵する文学の巨塔なので、関東近辺であれば最高の大学です。

3.上智大学 総合人間学部 心理学科

上智大学の中でも、特に人気のある学科が心理学科です。

心理学を専攻すると、最終的には臨床心理士などの資格を取得することになります。

そのため、医療系と同じく学歴はそこまで重要ではありませんが、「上智大学で心理学専攻してました」ってかっこいいですよね。

文学まとめ

「文系だし、とりあえず文学部にするか」という学生も多いですが、真剣に文学を研究している人間は”純度が高い”感じがします。

学問が手段ではなく目的、素晴らしいじゃないですか。

アイキャッチ画像は漫画『刃牙』から、”史上最強の生物”こと範馬勇次郎です。

闘争を手段ではなく目的とした、純度の高い戦闘民族。

文学部と聞くと、眼鏡をかけた地味な学生を思い浮かべますが、極稀に、範馬勇次郎がいるんだなぁ……