小論文の書き方【実践編】
前回(小論文と志望理由書の考え方)に続き、小論文の書き方【実践編】です。
「論理的だと思っていても感想文になりやすい」「自分の話には誰も興味がない」という2点は理解していただけたかと思います。
なんと、この2点を解決する便利な方法があります。
前回の記事でも例に出した「少子高齢化について、あなたの意見を述べなさい」という質問
子どもの数が減ると、高齢者を支えるための税収が少なくなり、日本経済が破綻する。政府は少子高齢化について、もっと真剣に取り組むべきだ。
この文章を、こう変えたらどうでしょうか。
財務省が公表している「2024年の歳入」によると、国の歳入に対し、所得税と法人税が約30%を占めている。一部の例外を除き、所得税や法人税は労働者、つまり若年層が納めている。したがって、子どもの数が減ると、若年層の労働力が減り、高齢者を支えるための税収が少なくなる。
ここで、アダム・スミスが提唱している『小さな政府』について考える。アダム・スミスによると、政府は経済における役割を縮小し、司法行政や公共活動にのみ尽力するべきである、と結論づけている。
以上から、政府は少子高齢化対策という公共活動に尽力し、日本経済を少しでも豊かにする方策を練るべきだと考える。
まず、根拠がなかった「高齢者を支えるための税収が少なくなり」の部分ですが、これは財務省が公表しているデータから判断することができます。
ここで「そのデータに間違いはないか?」と聞いてくる人間はいません。
次に、お気持ち表明でしかなかった「政府は少子高齢化について、もっと取り組むべきだ」の部分ですが、高名なアダム・スミスが提唱している『小さな政府』と同じことを主張しているため、これはもう単なる高校生の主張ではなく、偉大なる御方の金言です。
つまり、「公的なデータを持ち出す」「高名な学者の論を持ち出す」これで全てが解決します。
公的なデータは否定しようがありませんし、大学の教授とはいえ、高名な学者に反論することは難しいです。
これに反論するためには「アダム・スミスはそんなことを言いたいわけではなかった」と言うしかないのですが、残念なことにアダム・スミスは故人なので、誰もそれを確かめることができません。
結局のところ、力のない人間が誰かに話を聞いてもらうためには、誰かの力を借りるしかないのです。
「虎の威を借る狐」と思うかもしれませんが、昨今の「SNSのフォロワー数=自分の価値」と勘違いしている人間よりは、自分の無力さを認めているだけ You know! I know! お前は無能!
これは「小論文はこう書け!How to 小論文!」のようなテンプレートではなく、文章を書くうえでは当たり前の発想です。
方法論に走ってしまうと「書き出しはこうで〜、構成は序論・本論・結論で〜」のように、型に当てはめる発想になってしまいますが、受験の小論文では、書き出しや構成は重要ではなく、あくまでも「論理的な文章を書けるか」だけが問われています。
そもそも、受験の小論文であろうが、誰かに読んでもらう文章である以上、読み手を楽しませる努力をすべきです。
個人的には、多少の芸術点を狙って、こんな感じで書かれた文章が好きです。
昨今、日本や韓国をはじめ、一部の先進国で少子高齢化が問題視されている。
自身が高齢でありながらも、若者と議論を重ねていたソクラテスは、現代社会をみて何を思うだろうか。
総務省が公表している「地域の人の流れに関するデータ」によると、年間で10万人以上が千葉・東京・神奈川の都市部へと移住している。
それにともない、農村における人手不足、税収低下による社会保障制度の混乱など、多方面で問題が山積みとなっている。
だが、私がもっとも注目している問題は「高齢者の自己発現の場」である。
ここで、高齢者になった自分を想像してみる。
果たして、そこには「高齢者である」以外のアイデンティティは存在しているだろうか。
少子高齢化は経済面を中心に議論されることが多いが、それ以外の面も慎重に論ずるべきではないか。
若者も、いつかは高齢者となる。言い換えると、高齢者も、かつては若者であった。
すなわち、少子高齢化は「過去と未来の比重」という、量子論的問題へと変化する。
私も含め、人は影響力の大きな側面、知覚できる範囲に気を取られてしまう。
しかし、自分の知覚できない範囲、知らないところで、もっと大きな問題はないだろうか。
かつてソクラテスは、知らないことを自覚する、いわゆる「無知の知」を重要視していた。
ソクラテスが現在社会をみたら、彼はきっと”Docta Ignorantica”と叫ぶだろう。
無意味にソクラテスが引用されており、主張に根拠もないため、小論文としては下の下です。
ただし、騙される人が一定数いる、学部学科によっては大きく評価されるという事実はあります。
大泉洋の言葉を借りるなら「出るとこ出るよ」ですね、全く意味が違いますけど。
「論理的(もしくは論理擬き)な文章には、色々な書き方があるんだよ」とだけ理解してもらえれば大丈夫です。
前置きが長くなりましたが、上記を踏まえると、小論文対策は
① 様々なデータ、学説を知識として持っておく(背景知識)
② 接続詞のレパートリーを増やす(文法)
この2つだけです。
逆に、背景知識や文法が不足していると、中身のない文章になったり、継ぎ接ぎだらけの駄文にしかなりません。
「小論文の書き方」という方法論の対策本ではなく、まずは自分が受ける学部学科に関係する偉人の本を読み、国語のドリルを解き進めましょう。
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